たわしの現場へ

日曜はお天気にも恵まれ、棕櫚たわしの現場見学も

ちょっとしたドライブ気分のお出掛けになりました。



和歌山の海南は棕櫚製品の産地。

hitofushiのタワシや箒はみんなここで作られたものです。



ただ、お間違え無く。

作られたのは和歌山海南ですが、使用しているシュロ自体は支那皮と呼ばれる中国からの輸入のものです。材料、生産共に海南産のものとなると、そこそこ贅沢で優雅なランチがいただける価格になる・・・のが現状なのです。まずこの現状を生産者とお客様を繋ぐ私の責任として正直にお伝えしておきますね。





海南地域には至る所にシュロが茂っています。

かつて植えられていたものが残って、そこからさらに自生しているという感じでしょうか。



その他の地域で見かけるシュロと異なって

モジャモジャとした皮(タワシやほうきになる部分)が

途中まで無いのが印象的ですが、これは、かつてシュロ産業が盛んに行われ、

国産のシュロ皮だけで箒やタワシが作られていた頃の名残なのです。



シュロの木







皮の剥かれたシュロの木は、お寺の鐘つき棒に最適で(木自体が繊維の集合体らしく、衝撃を吸収するので鐘を割らないのだそうです)昔は立派なシュロの木を倒す時はお寺のご住職がそれをもらいに来たのだそう。



また、この地域の用水路の底には決まって棕櫚皮が敷かれ、

何十年経った今でも腐ること無く残っているとのことでした。

棕櫚皮が水に強いことはいったいいつ頃から認識されていたのでしょうか・・・







「おばあちゃんが小さい頃は、

シュロの花にヒモを付けて引いて歩いたらしいです。」



「引いて歩く?なんで?」



「ほら、犬なんか飼ってもらわれへんかったから。」



シュロの花というのは、花とは呼びにくいような形状で、黄味がかったクリーム色のつぶつぶモコモコの大きな房になっています。このモコモコを犬に見立てて連れて歩いていたというのです。



なんてかわいい。

伝統産業のあるところには、その地域ならではの子供の遊びやおもちゃがあることが多いです。











タワシ作りはまず、

きちんと年月をかけて手入れされたシュロの木から剥がされた棕櫚皮を

ブラッシングし使えない部分を落とすような機械にかけ、

繊維状にするところから始まります。



シュロの繊維



「こっちの端は硬すぎてダメやし、こっちの端は柔らかすぎてダメやから、使えるのはこの辺とこの辺の間くらい。」いいタワシを作ろうとすると使える材料も限られるのだそう。





巻く



短く切った毛を針金の間に挟み、絡みをほぐして均等にしてからグルグルと巻く。

簡単そうに見えて難しいのです。



棒状になったタワシは次にこの機械に通します。



機械



何かと言うと・・・・



散髪





毛の長さが揃うように、散髪する機械です。

ここを3〜4回通したらタワシの基本形の完成です。









hitofushiオリジナルの[水筒・ポット用 長いしゅろたわし]は、こちらの職人さんの作品。使い心地の良さには理由があるんですね。











hitofushiでも、「タワシなんかなにに使うの?」と尋ねられることが良くありますが、ただのタワシではありません。シュロのたわしです。

ぜひまず一個、野菜洗いでも、ざる洗いでも、食器洗いでもいいので是非試してみてください。



使うごとに柔らかくなって、

コシがあって、長持ちして・・・その良さを実感していただけるはずです。







伝えたいことはもっともっといっぱいありますが、

今回の海南の報告はひとまずこの辺で。



また次回の訪問と報告を楽しみにお待ちいただけたらと思います。

私も楽しみにしている海南のシュロのこれからです。